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STUDIO FNCの仕事の裏側を公開

text by RYUNOSUKE AOTA
photo by RYUNOSUKE AOTA
article up 2018/06/15

少子化の時代にあえて絵本を選ぶ理由

VOL.08「キャラクターが創り出す無限の可能性」

 少子化、待機児童問題と、今、世間では多くの子どもに対する課題が浮き彫りになっている。そして、児童を狙った犯罪などもあとを絶たず、監視社会と呼ばれる昨今でもその合間をすり抜けて犯罪が起きている。

そうした問題が浮き彫りになってきたのは本当にここ10年ほどの出来事である。それ以前は、そうした問題は多くは取り上げられることがなかった。少子化が進んでいるのにもか関わらず、保育所のニーズが高まっている背景には、バブル崩壊後の1990年代はじめ、共働き世帯が専業主婦世帯を上回ったことで、保育所を必要とする親が増えたことが始まりである。

1995年には、政府が初めて待機児童数を公表し、その問題がますます顕著になってくる。2001年の小泉政権時に、待機児童ゼロ作戦が打ち出されたが、その結果は、現在までも解消されていない。2016年に「保育園落ちた日本死ね!!!」というタイトルのブログを多くの反響を呼び、再び、待機児童問題が表で取り上げられるようになった。

そもそも待機児童は、認可保育所という各自治体が認定した施設入れず、無認可の保育所などへ入所をせざるをえない状況の児童のことを言う。認可保育所の場合、親の所得に応じて保育料が決まるが大半が月2万円〜5万円だと言われている。しかし、無認可になると、5万円以上で10万円もかかる場所もあると言われている。月5万円以上の出費となれば、共働き世代においても非常に厳しい出費となり、やはり認可保育所を求めるようになるのです。

また、保育士不足も一因と言われています。過酷な労働環境の元で、賃金が安いため、なかなか続けて勤務する人材確保も困難であると言われています。キツイ・給料安い・帰れないの3K職種とも言われ、その労働環境はあまりにも酷いと言います。しかしながら、根本的に、その給与をあげるためには、月の保育料を上げていき、更に国の補助等が必要となってきます。しかし、その抜本的な改革は全く進んでいないのが現状です。

保育士の資格を持ちながら保育士として働いていない潜在保育士が68万人いると言われています。しかしながら、その労働環境が改善されない限りは、再びその環境へと戻ってくるようにするのは不可能に近いと言えます。

 

今の時代に対する子育て環境が整わない中、日々進化を続けている世論で、その問題が全く置いてけぼりとなっています。

そうした多くの問題を少しでも解消する手助けをしたいと、STUDIO FNCでは、新事業をスタートさせることになりました。

「えほん未来工場」

これが、新たな活動の名称です。保育士経験があるアドバイザーを迎え、本格的にこの問題に対して向き合い、今の時代に見合う新しい子育てのスタイルを構築・提案するため、新規事業がスタートします。

そして、今回、最初のフェーズとして実施するものが、「絵本」製作事業です。この絵本が、やがて巨大なプロジェクトの一端を担う重要な我々のパーツとなります。STUDIO FNCが長年、製作を続けてきたキャラクターや、新たに生み出されるキャラクターを集結し、絵本事業を開始します。また、絵本の新スタイルとして、その物語をプロジェクションマッピング等で上映するなど新たな試みと行います。

そうした様々な施策を経て、セカンドフェーズでは、実際に新たな教育方法を取り入れた新スタイルの保育園をオープンさせます。更に、現状の保育所等の労働環境に囚われない新しいスタイルでの働き方改革も実施します。預ける側も働く側もお互いがwin-winの関係性で繋がれる新しい保育所を始動します。

また、その先の更なるフェーズも、順次公開を続けていきます。この問題に真剣に取り組むことが、未来、将来への世代に繋がることを夢見て。そして、未来の子供達へ無限の可能性へ期待しつつ、ワクワクすることをこれからも作り続けます。

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